立ち上がった時や、通勤電車に乗っている時にめまいが起きて、立っていられなくなったり意識を失ってしまう状態を、起立性低血圧と言います。
これは、日ごろの血圧測定で、数値的には低血圧ではない人にも起こり、その原因はストレスにあるのです。
ではその対処法はどうすれば良いのでしょうか?
低血圧のめまいはストレスが原因?起立性低血圧って?
朝礼の時に倒れたり、駅のホームで倒れてしまう人って、意外とたくさんいますよね。自分が経験した人もいるでしょうし、目撃したことのある人はもっとたくさんいるでしょう。そんな時、多くの人が「貧血か~」と言います。
あの症状は「脳貧血」と言われるもので、実際に医学的に言われる「貧血」とは別の物で、「起立性低血圧」と言う、低血圧の症状なのです。
普段から低血圧の人を、本能性低血圧と言って、特に原因となる病気はありませんが、血圧の数値が最大血圧100mmHg以下の人を指します。日本では、若い女性に多いと言われていますが、その原因を見てみましょう。
- 女性ホルモンのエストロゲンの血管拡張作用によるもの。血液量は変わらずに、血管だけが広がることで、絶対量が減ってしまうため。
- 血行不良と冷えの悪循環によるもの。
- 鉄分不足による貧血と併発しやすい。
- 小食、偏食による栄養の偏り。
- 運動不足。
- 精神的、肉体的ストレス。
- 夜型の生活。
- シャワーのみの入浴。
- 心拍の出力が弱い。心臓から送り出される力が弱いため、血液量が少ない。
- 血液を心臓に送り返す筋力が少ない。足元に溜りやすく、むくみも併発しやすい。
なるほど、低血圧になる要素が盛りだくさんと言った感じですね。これでは、よほど気を付けた生活をしなければ、低血圧を免れることはできそうもありませんね。低血圧は、病気ではないから処置しなくで良いと考える病院の先生もいますし、むしろ重大疾病の心配がなくてよろしいと言われることもあるのです。
ただし、これは、あくまでも数値的なことで、低血圧に付きまとう不快症状が出てきたなら、対策が必要です。女性に多いと言われる本能性低血圧ですが、原因の中に、精神的、肉体的ストレスとありますね。
このストレスは、本能性低血圧に起立性低血圧を併発させるやっかいな原因なのです。起立性低血圧は、数値的には100mmHgを切るような低血圧ではない人にも起こります。その原因となるのが、ストレスなのです。
低血圧のめまいを起こすのはストレス!対処法はストレス解消!
ストレスと簡単に言っても、その要因は膨大で、仕事上の大きな取引などのストレスから、髪の毛が頬にかかるような小さなものまで、一言でストレスと言います。そのため、生きている限り、ノンストレス生活をすることは不可能です。
その手立てとして出来ることは、ストレス解消です。実際のストレス自体を消すことはできませんが、代わりにスカッとした気分になることで、ストレス性のマイナス感情を少しでも取り去ろうと言う考えですね。
ストレスは目に見えないため、自分の中にどれほど溜っているか判断がつきません。不眠に陥るような、大きな悩み事がストレスになっている時はわかりますが、意外と怖いのは、普段の生活の中の小さなストレスが知らないうちに溜っていると言うことです。
料理の味付けが思うように行かなかったこと、出かける直前にカギが見つからないこと、髪型が決まらないこと、暑さや寒さ、隣の家のおじいさんの咳の音、伸ばしていた爪が折れたこと、こんな、10分もしたら忘れてしまうような事が、ダメージとして溜って行ってしまいます。
こうして、ストレスは自動的に溜っていくので、意識するのは解消することです。何か起こったから解消するのではなく、日頃から気分が良くなることを見つけて、「あ~気持ちがいい」と感じることが、解消につながります。
バスタオルをきつく丸めて、その上に寝転ぶと背筋が伸びてスッキリします。好きな映画を観ると幸せな気分になります。気の合う友達と電話で話すと楽しくなります。好きな香りの入浴剤を入れたお風呂に入るとゆったりできます。こんな小さな喜びがストレスを解消していくのです。
そして、効率よく解消するためには、何気なく過ごすのではなく、「楽しい」「気持ちがいい」「うれしい」「スッキリした」としっかり感じることです。
ストレスによって不調を起こすのは自律神経です。自律神経は交感神経と副交感神経がバランスをとることで、成り立っています。これは、「ストレス=交感神経」「ストレス解消=副交感神経」の関係です。
ストレスがいっぱいに溜ってしまうと、交感神経ばかりが優位にたち、副交感神経とのバランスが崩れてしまいます。そうなると、自律神経が正常に機能しなくなってしまい起立性低血圧を起こしてしまうのです。
起立性低血圧はストレスからの自律神経の異常?
健康な状態だと、「あっ100円見つけた!」としゃがんで拾っても、めまいは起こりません。それは、自律神経が血圧を調整しているためです。自律神経が神経伝達機能を使って瞬時に判断し、頭部の血液が落ちないようにしてくれているのです。
ところが、ストレスによって、交感神経が優位に立ち過ぎ、バランスを崩したために、自律神経が正常に機能しなくなると、血圧は不安定になり、不意に立ち上がったときなど、重力に逆らわず、一気に頭部の血液が下がってしまい起立性低血圧を起こしてしまいます。
そして、起立性低血圧のめまいは、意識を失うことが多く、二次性のケガが心配されます。ふらふらと座り込む程度なら良いのですが、バタンと倒れてしまうこともあり、頭を強打する可能性があり危険です。
また、この起立性低血圧は繰り返すことが多く、そのたびに大ケガの心配が付きまといます。意識喪失は数秒~数分のことがほとんどで、その後安静にすることで回復します。ストレスが原因で自律神経の異常を招いてしまうと、なかなか自力で戻すことは大変です。
起立性低血圧だけではなく、突然の不安、大汗、不眠、円形脱毛、などの症状が出てくる可能性があります。起立性低血圧によるめまいがどんどん悪化した場合や、意識喪失があった時は、医師の診察を受けましょう。神経科で、交感神経を安定させてくれる薬などもあるので、相談してみましょう。
まとめ
目に見えないストレスは、満タンに溜り、手に負えなくなって始めて気が付くことがあります。体が悲鳴をあげて、やっと気が付くと言った感じです。忙しい毎日を送っていると、多くの人がそうやって、何とか一日を乗り越えていますね。
今は子供から大人まで、ストレスから離れることはできません。子供は無邪気に遊んでいる、と言った時代ではなく。むしろ、子供の方が抱える問題が深刻で、ストレスが大きいこともしばしばです。
思春期に起こる「起立性調節障害」=「OD」は、低血圧から発症する深刻な病気です。大人と違いストレスを全身で受け止めてしまう子供は、未熟な自律神経が機能しなくなる事で、ODとなってしまいます。
ストレスは老若男女問わず、容赦なく襲ってきますね。自分の休ませ方、癒し方を知らないと休日でもストレスから開放されなくなりますよ。そうなると、さらに交感神経ばかりが出てきて、副交感神経が活躍できません。
副交感神経は、細胞の修復、回復を手掛ける、癒しの神経です。副交感神経が出てこない限り、疲労回復も気力の回復もないのです。
仕事も子育ても頑張るだけではなく、ストレス解消方を身につけてこそ、自己管理と呼べるのかもしれませんね。