鼻をかんでビックリ。
「鼻水が緑っぽい!」
なんて経験はありませんか?鼻水は、どんなときに出るのか、考えてみましょう。風邪をひいたとき、花粉症の時、泣いたとき。いろいろ思い浮かびますよね。この時の涙は、色なんてついていないものです。
鼻水は、きれいなものでも、好まれるものでもないと、誰もが思っていると思いますし、突然自分の鼻から緑色のものが出てきたら、驚いて、嫌な気分になることもありますよね。
そこで、色つきの鼻水の原因と対処法をお話しします。
目次
どうして鼻水が緑色になるの?
鼻水が出るのにも、いろいろパターンがあります。先ほど例に挙げた中で見てみましょう。
- まず、風邪をひいたときは、侵入してきた風邪の菌を洗い流すため
- 花粉症のときは、アレルゲン(花粉症の原因となる物質)を洗い流すため
- 泣いたときは、鼻から鼻水のようなものが流れます
でも実は、③の泣いたときに鼻から出るのは、風邪や花粉症のときの鼻水とは成分が違って、ほとんど涙の成分なので、泣きやむと止まってしまいます。
だから、泣いたときの出る鼻水は、透明か白っぽい透明のような感じだと思いませんか?ということで、③泣いたときの鼻水は、例外にしましょう。風邪をひいたとき、花粉症のときの鼻水について見ていきます。
風邪をひいたときの鼻水
では、まず風邪をひいたときにでる鼻水について説明していきます。風邪をひいたとき、鼻水がとまらなくなったことはありませんか。
鼻水は、風邪のひき始めの時期に起こる症状で、透明な鼻水が止まることなく流れ出てきます。これは、侵入してきた風邪の菌から、あなたの体を守るための反応です。鼻の中に入った菌を、サラサラと洗い流すために出てくるのです。
サラサラの鼻水が何日間か続き、今度は、いよいよ緑色のドロドロした鼻水に変わります。この鼻水は、死んだ風邪の菌や、戦い終わって死んでしまった白血球を含んでいます。
その理由からか、昔はドロドロした鼻水が出たら風邪は治っていると思っている人が多かったのですが、実は、ウイルスが強く、体内の免疫細胞がウイルスに押し負けている証拠なんですよ!
実は、濃い色の鼻水が出るときは、別の「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」という、別の病気の前兆かもしれないのです!
副鼻腔炎とは?!
副鼻腔炎は、たとえば風邪をひいて粘膜に起こってしまった炎症が、副鼻腔と呼ばれる鼻の周囲の空洞にまで広がって起こる炎症です。
せっかく下がった熱も、副鼻腔炎になるとまた上がってしまうことがあるんですよ!これは気をつけなければいけません。
鼻水が緑色には、副鼻腔の中に、ウイルスと戦った白血球・体に入り込んだ菌の死体が含まれている、と言いましたよね。つまり、緑色の鼻水は、ウイルスの死体などをたくさん含んでおり、汚れているからネバネバするのですね!
緑色の鼻水は、免疫細胞がウイルスに負けているから出るものですが、それと同時に、しっかり体から排出して、ネバネバした汚いものを体内に残さないようにするという仕組みでもあるんです。
こういった鼻水が出ることが、風邪の症状の終盤であって、副鼻腔炎の前兆です。
「汚いものを外に出しているのに、どうして別の病気になるの?」
と思った人はいませんか?副鼻腔炎については、このあと説明しまね!
花粉症のときの鼻水
花粉症のときに出る鼻水は、花粉症の症状を起こすアレルゲンを、体内から出してしまうものです。風邪をひいたときに、菌を外に出そうとするのと同じですね。では、花粉症のときの鼻水に、色が着くことはあるのでしょうか?
花粉症の人は、いつ鼻水が出るでしょうか。一年中でしょうか?
花粉症による鼻水は、アレルギーのある花粉が飛んでいるときだけです。
これはアレルギー性鼻炎といい、この病気で流れる鼻水は、体内に入った異物(アレルゲン)を洗い流すためのもので、透明です。風邪の初期に出る鼻水と同じです。
ここまででわかることは、体内の免疫細胞が、風邪などのウイルスの強さに負けているとき、鼻水に色が着く。花粉症などでは、鼻水に色が着くことはないということです。
そう、もしあなたの鼻から色の着いた鼻水が出ていたときは、まだ体の中にウイルスがいるかもしれないのです。
緑色っぽい鼻水が出続けるときの対処方法
風邪を治すために、体内にいつまでもウイルスを残さないように出てくる緑色っぽい鼻水。
もしも、この手の鼻水が出続ける場合は、どのような状態なのでしょうか。
注意!副鼻腔炎の可能性
前に少し触れたのですが、風邪の症状の終盤のころに、死んだウイルスや白血球を外にだすために、緑色の鼻水が出ますが、これがいつまでも続く場合は、副鼻腔炎になっている可能性があります。
鼻水がうまく排出できずに、ずっとウイルスが増え続けることで、副鼻腔炎になります。
そうなると、鼻の奥やその周辺の空洞などに起きる炎症で、きつい臭いのある鼻水で鼻が詰まってしまい、頭痛や発熱などの症状が出ることもあります。
この状態になると、鼻水がのどに流れ込み、痰(たん)と間違うほどになることもあるのです!
副鼻腔炎の対処方法は?
副鼻腔炎は、重症化すると蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれるようになり、手術が必要な場合があります。
このような事態を防ぐために、緑色の鼻水が出はじめたら、耳鼻科を受診して、炎症を抑える薬や、抗生物質をもらうのが一般的な対処です。
自分で出来ることというと、風邪をひかない・悪化させないための行動で、副鼻腔炎に対しては、ほとんどないと言って良いでしょう。
「自分で直してやる!」
と躍起になっていると、慢性化してしまう病なので、できるだけ早く病院に行くのが良いですね。
副鼻腔炎にならないために
今まで、風邪をひいたときに、色が着いてきたからもう治ると思っていませんでしたか?また、鼻をかむことを怠ったり、ためらったり、していませんでしたか?副鼻腔炎にならないためには、鼻をかむことは必要不可欠です!
なぜなら、鼻をかまなかったら、悪性といえる緑の鼻水が、ずっと鼻の中にあるわけです。悪いものを鼻の中にため込んでいるんですから、状態がさらに悪化しても仕方ないですよね。
そこで、副鼻腔炎になるのを防ぐ、ポイントを2つお伝えしましょう!
一つ目は、鼻水が出そうなときは、出してしまうこと。副鼻腔炎の場合は、痰になって出るほど中に鼻水はたまっています。それ以上増やしても、良いことは無いと思いませんか?
二つ目は、鼻をかんだら、色を確認すること。鼻水の状態で、風邪の治り具合や、副鼻腔炎の進行など、わかることがたくさんあります。「嫌だ」と思う人もいるかもしれませんが、鼻水形状や色などの違いは、見ておくべきなのです!
まとめ
いかがでしたか?鼻水について、今まで間違った認識をしていませんでしたか?
まず、やってみてほしいことは、鼻をかんだあとで、下の項目をチェックしてみてください。
- 緑の鼻水が出ませんでしたか?色が着いた鼻水は、たしかに、体の中に入り込んだ菌を外に出すためのものですが、緑色っぽい鼻水が出たからと言って、風邪が治ったわけではありません。
- 緑色っぽい鼻水が出はじめたら、早めに耳鼻科を受信するのが良いでしょう。
- 副鼻腔炎は、自力で治すことはほとんど出来ないうえに、放っておくと、蓄膿症というもっと重い症状に変わってしまいます。
はじめは嫌かもしれませんが、難しいことではありません。鼻をかんだあとのチェックで、自分の風邪の状態がわかるのです!
この方法で、はやく症状をよくするための第一歩を、踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考:鼻水が止まらない!透明でサラサラな鼻水の原因や対処法は?