切れ痔になると激しい痛みでつらいですよね。でも痔というと、なんだか恥ずかしくて病院に行きづらいもの。また、最近では薬局などで痔の専用薬も売っていますが、やはり買いにくいですよね。
そんな中、「オロナインは痔にも効く」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか？オロナインは万能薬で常備しているご家庭も多く、オロナインで治せるならお手軽です。
ですが、果たして切れ痔にも有効なのでしょうか？また有効だとしたら、どのように使用すればいいのか気になりますよね。切れ痔とオロナインについてまとめました。
目次
本当に切れ痔にオロナインはきくの？
切れ痔はつらいけど、なかなか人には言いづらく、できれば知られたく無い病気です。
ご家庭にあるオロナインで治せるなら、嬉しいですよね。でも本当に切れ痔にオロナインは効くのでしょうか？実はオロナインの効果は賛否両論で、症状や人によって「効果がある」という人もいれば、「効果がない」という人もいるのです。
結論から言うと、オロナインには「痔に有効な成分」は確かに入っています。
オロナインとは
出典:http://www.otsuka.co.jp/ohn/
オロナインは多くのご家庭にある万能薬ですが、実際はどのような薬なのでしょうか。オロナインの主成分は「クロルヘキシジングルコン酸塩液」です。この成分は強い殺菌作用を持っていて、よく手指や皮膚の消毒に幅広く使われるものです。
強い殺菌作用があるにも関わらず、低刺激でにおいも少ないので、優れた殺菌剤としされています。また、オロナインにはステロイド剤が入っていないので、小さなお子さんや妊婦さんも安心して使用することができます。
気になる効能は
- にきび
- 吹き出物
- はたけ
- 軽いやけど
- しもやけ
- あかぎれ
- きず
- じゅくじゅくしていない水虫
- たむし
- いんきん
- しらくも
とあります。まさに万能薬ですね。しかし残念ながら、効能欄に痔は含まれていません。
ではなぜ痔に効くと言われているかというと、昔オロナインのコマーシャルで「そして痔にも」と宣伝されたことから、痔にも効くと言われているようです。オロナインには消毒・止血の成分が含まれており、ワセリンによる傷口の保湿や保護の効果を含みます。
効能には「痔」とは表記されていませんが、切れ痔も元々は肛門の切り傷なので初期の場合や軽度の場合は効果も期待できると考えられます。
早い段階で塗り込むと数日で痛みがやわらぐと言われる人もいますので、簡単にできる応急処置として、オロナイン処置を知っていて損はないでしょう。ですが、痔の専用薬ではありません。あくまで応急処置として使用しましょう。
どのように塗ればいいの？
では、どのようにオロナインを使用すればよいのでしょうか？正しい塗り方をお伝えします。
指で塗る
最も一般的な塗り方は指で塗る方法です。清潔な指で、オロナインを直接患部に塗ります。
バイ菌を傷口に入れないよう、塗る前は必ず手指を洗ってください。また、塗った後に手を洗うのもお忘れなく。また、患部やその周辺の汚れは塗る前に落としておきましょう。
そのまま患部にあてる
チューブ式のものであれば直接患部に塗布でき、指などが触れないため清潔です。
ただし、汚染を防ぐため使用後のチューブの先端の余分な軟膏は取り除いてから蓋をしましょう。切れ痔専用にし、他の症状には使わないようにします。
ガーゼで塗る
ガーゼを使って塗ると、指も触れずに広範囲に塗れるので衛生的です。
ただし、ピンポイントに濡れないため指でつけるよりも塗りこぼしが多くなります。これらのうち、自分に合った塗り方を見つけてケアをしてみましょう。
オロナインの他に塗り薬はあるの？
オロナインは先ほどもお話しした通り、痔の専門薬でないため、切れ痔を根本的に治すことはできません。
昔は痔についても効能をうたっていましたが、現在は効能に明記されていません。これは、昔は痔の市販薬がなかったのですが、今は痔の専門薬が置いてあるためです。
痔の専門薬であれば止血作用や鎮痛効果に腫れや痒みを抑制する成分が入っているので、これらの方が応急的な使用に適している場合も多いでしょう。
また、飲み薬や漢方、座薬、軟膏など症状に合わせた様々な種類があるので、自分の症状に合った薬を選ぶこともできます。市販されている痔の専用薬をいくつか紹介します。
ボラギノール
「痔に～はボラギノ～ル♪」
のコマーシャルで有名ですよね。注入軟膏、軟膏、座薬が販売されています。
プリザエース
「止まって治す」が特徴のプリザエース。
独自の技術で各成分が患部にとどまり、しっかり効くのが特徴です。
メンソレータムリシーナ
女性向けの痔の薬です。軟膏はしっかり患部に塗ってもべたつかず下着につきにくくなっています。
痔の市販薬の注意点
ただし、これらの市販軟膏も使用には注意が必要です。これらの市販薬には消毒成分の他に、ステロイドや麻酔成分も含まれる場合が多くあります。
ステロイドは、アトピーなどの皮膚治療薬として皮膚科で出されることも多いですが、よく効く半面使い続けると体に良くないことも事実です。副作用があるため妊婦や小さな子供の使用は制限されています。自己判断でこれらの薬をむやみに使用するのは危険と言えるでしょう。
また、たくさんの種類の薬があり、切れ痔に特化したものもあればイボ痔に適したものもあり様々です。もし、使用される場合は、薬剤師に相談して購入されることをおすすめします。
オロナインは殺菌にて傷を治すという効能から肛門を清潔にし、塗布することで症状が軽くなる場合があります。また、ボラギノールなどの痔専用薬は一時的にはオロナイン以上に効果が期待できるでしょう。しかし、あくまで応急的な使用と考えてください。
何度も言いますが、オロナインは万能薬である反面、痔を根本的に治す薬ではありませんし、ボラギノールなどの専門薬は副作用の可能性があります。とりあえずの使用には薬局で手軽に購入できて適していますが、やはりきちんと受診されることをおすすめします。
オロナインが効かない場合は？
お尻の病気なので、病院へ行くことに抵抗があるかもしれません。だからこそセルフケアをしたいと思う方も多いのだと思います。
常備薬として持っているオロナインであれば手軽だし、薬局で購入するときの恥ずかしさもないですよね。でも、痔は放置しておくと慢性化しやすい病気ですし、切れ痔を繰り返すことで症状も悪化してしまいます。
また、便秘がひどくなってしまうことや、ガンに発展してしまうこともあるのです。オロナインやご紹介した軟膏は、あくまで応急処置として使用し、一度は医療機関で相談してみてください。
すぐに病院に行けない場合の応急処置として、軟膏を塗る他にもできることがあります。緊急対応法をご紹介します。
肛門を清潔に保つ
ウォッシュレットはもちろんですが、入浴の際も優しく丁寧に洗浄してください。
アルコール・刺激物を取らない
酒、タバコ、トウガラシ、コショウ、コーヒーなどの刺激物は避けましょう。
排便の時間を短くする
排便の我慢もいけませんが、便意がないのにトイレに座って待つことはよくありません。
いきまない
いきんで、痔にストレスをかけることは悪化につながります。
便秘や下痢にならないようにする
切れ痔の原因の多くは便秘です。水分を取ったり、乳酸菌を取ったりして便秘を防ぎましょう。
参考:いぼ痔ができたけど痛くない！？手術なしで放置・自然治癒も可能？
まとめ
「痔」を甘く見てはいけません。
慢性化しやすい病気で、放っておくと悪化してしまいます。場合によっては手術が必要になったり、ガンになってしまうこともあります。
お尻の病気なので、病院にかかることに抵抗があるかもしれませんが、きちんと治療をすれば治る病気です。早めに医療機関を受診しましょう。
オロナインは万能薬である反面、切れ痔に特化した薬ではありません。あくまで応急処置として使用してください。
「今は大丈夫！」
「自然治癒でどうにかなる」
と考えず、早めの今だからこそ、医療機関を受診して、きちんとした治療を始めてみませんか？
